
ブルーラジカル
ブルーラジカル
近年、歯科医療の分野では、患者様がより安心して治療を受けられるよう、さまざまな新しい技術が生まれています。その中でも、とくに注目されているのが『ブルーラジカル』です。
これまで、重度の歯周病に対しては、外科的な手術が必要となるケースも少なくありませんでした。しかしブルーラジカルを活用することで、より負担の少ない、非外科的なアプローチが可能です。これは、手術に対して不安をお持ちの方や、身体の病気などの理由で外科手術が難しい患者様にとっても、新たな治療の選択肢となるでしょう。
ブルーラジカルは、単に症状を一時的に抑えるのではなく、歯周病の原因となる細菌に直接働きかけ、その活動を抑制することで、歯周組織の健康を取り戻すことを目指します。患者様の歯を長く健康に保つための、より効果的な治療が期待できるのです。
また、ブルーラジカルは、重度の歯周病に対する効果を厚生労働省が認めた唯一の治療機器です。重度の歯周病に対し、1回の治療で従来の方法よりも歯茎の腫れを減少させ、人体に影響がないことが治験で実証されています。
ただ、ごくまれに薬剤へのアレルギー反応が生じる可能性があるため、当院では治療前に必ず丁寧にカウンセリングを行います。その上で、患者様の状態に合わせた最適な治療計画を立案いたしますので、ご安心ください。
ブルーラジカルは、歯周病菌に対して2つのアプローチを行います。
ブルーラジカルの根幹である「フリーラジカル(活性酸素)」」は、過酸化水素水と特殊な青色LED光を組み合わせて生成されたものです。
フリーラジカルは非常に強力な殺菌力を持ちます。徹底的に殺菌することで、歯周ポケットの奥深くに潜む歯周病菌まで除去してくれるのです。
『ブルーラジカル』の優れている点は、超音波振動の力も利用していることです。頑固な歯石やプラークを、細かく砕いて取り除く働きをします。
ブルーラジカルは、フリーラジカルと超音波振動という2つのアプローチを同時に行い、従来の治療ではなかなか届かなかった深部の歯周ポケットの徹底的なクリーニングを可能にしたのです。
従来の治療法とブルーラジカルの違いは、治療部位へのアプローチ方法です。
従来の治療法 | 感染した部分を物理的に削って除去し薬剤で消毒する |
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ブルーラジカルを活用した治療法 | 過酸化水素水と青色LED光を組み合わせて発生させたフリーラジカルで細菌のDNAや細胞膜を直接的に破壊する |
これまで、むし歯や根管治療(歯の内部にある神経や血管が感染した場合の治療)は、従来の治療法しか選択肢がありませんでしたが、そこには避けられない課題もありました。
例えば、物理的な除去では、健康な歯まで削ってしまう可能性や、細菌を完全に除去することが難しい場合があります。また、薬剤による消毒も、奥深くに潜む細菌まで完全に死滅させることが難しいケースがあり、治療後に再び感染を起こすリスクがあるのです。
さらに、これらの治療は、患者様にとって痛みを伴ったり、治療に対する精神的な負担になったりすることも少なくありませんでした。
一方でブルーラジカルは、非外科的な方法で治療することにより、患者様の大切な歯をできる限り残しながら、非常に高い殺菌効果を得ることが可能です。その結果、治療後の再感染のリスクが大幅に減少し、治療の成功率が向上することが期待できます。
ブルーラジカルは、切開や縫合といった外科的な処置が不要です。従来の治療で懸念されていた痛みや出血、術後の腫れなどを大幅に抑えることができ、患者様への負担も抑えた治療であるといえるでしょう。
ブルーラジカルの特徴と患者様へのメリットは次のとおりです。
ブルーラジカルの主な特徴 | 患者様のメリット |
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精度の高い細菌除去 | フリーラジカルと超音波振動により、従来の治療法では届かなかった細菌まで殺菌できる |
つらい痛みや不快感の軽減 | 従来の治療法のように、歯を大きく削る必要がないため、治療中の痛みや不快感が軽減される |
治療後の早期回復をサポート | 細菌を効率的に除去することで、お口本来の自然治癒力が促進され、治療後の回復が早まる |
ブルーラジカルは、従来の治療法の課題を克服し、患者様にとって負担の少ない、かつ効果的な新しい選択肢となるでしょう。
ブルーラジカルは、スケーリング・ルートプレーニング(SPR)の際に使用し、次のように進めていきます。
1
お口の状態の確認
歯や歯茎の状態を丁寧に診断し、治療が必要な部位を特定します。
2
薬液の塗布
歯周ポケットの奥や感染している部分に、ブルーラジカル治療専用の過酸化水素水を塗布します。
3
光の照射
特殊な青色LEDの光を治療部位に照射。この光が、塗布された過酸化水素水と反応し、フリーラジカルを生み出します。
4
細菌の殺菌
発生したフリーラジカルが、感染の原因である細菌を殺菌し、歯の表面や歯の根の中を清潔な状態に整えます。
5
汚れの除去
超音波の細かな振動を利用して、こびり付いた歯石やプラークを物理的に除去。歯周ポケット内を清潔な状態にします。
従来の治療法に比べて、短時間で完了し、治療にかかる回数や時間も半減できることが報告されています。時間の確保が難しい患者様にとっても、負担の少ない治療といえるでしょう。
ブルーラジカルは、次のようなお悩みや不安を抱える患者様におすすめです。
「自分の症状にもブルーラジカルが使えるの?」と迷う方もいるでしょう。ブルーラジカルに関してご不明な点は、いつでもご相談ください。
歯周病は、適切な治療と正しいセルフケアによって進行を食い止め、改善させることが可能です。「痛い治療は避けたい」「手術には抵抗がある」と感じておられる患者様にとって、ブルーラジカルは新たな選択肢として新たな希望をもたらしてくれるでしょう。
ブルーラジカルによる治療をご検討中の患者様は、ぜひ文京区の護国寺デンタルオフィスまでお気軽にご相談ください。歯周病の症状をあきらめずに一歩踏み出し、健康的で美しい歯を取り戻しましょう。
「ブルーラジカル」は、東北大学が開発した重度の歯周病を対象とした世界初の治療法です。過酸化水素とレーザー照射によるラジカル殺菌技術を用いて、虫歯菌や歯周病を引き起こす口腔細菌を99.99%殺菌し、人体への影響はないとされています。この治療法は、歯周炎のステージⅢ・Ⅳの患者に対し、歯周ポケット内の殺菌と同時にスケーリングを行うことで、歯周ポケットの減少に効果が期待されます。
歯周病専門医が「ブルーラジカル」を行う意味は、その治療が重度の歯周病を対象としている点にあります。歯周病専門医は、一般的な歯科医院では対応が難しい重度の歯周病患者の治療を専門とし、歯周病に関する高度な知識と治療技術を習得しています。また、診断から治療計画の立案、手術、メンテナンスまで、歯周病治療の全般を包括的に担う役割があります。
「ブルーラジカル」のような先進的かつ重度の歯周病に対応する治療法は、その性質上、深い専門知識と精密な技術が求められます。したがって、重度歯周病治療に特化し、高度な専門性と豊富な経験を持つ歯周病専門医がこの治療を行うことは、患者に最適な治療を提供し、より良い治療結果を導く上で重要な意味を持つと考えられます。