
歯周病治療
歯周病治療
歯周病専門医は、日本歯周病学会が認定する資格を持つ歯科医師であり、その数は歯科医師全体の約1%程度しか存在しないため、非常に希少な存在です。この専門医資格を持つ医師は、歯周病に関する高度な専門知識と豊富な経験を持ち、特に重度の歯周病治療に精通しているとされています。
歯周病専門医の希少性は、いくつかの要因によって説明されます。まず、全国の歯科医師数に対して、歯周病専門医の数は極めて少ないのが現状です。これは、歯周病専門医になるために、学会が認定する研修施設での長期間にわたる研修と、厳しい試験への合格が必須であるためです。さらに、その上位資格として存在する歯周病専門医指導医の数は、さらに少数です。これらの背景から、歯周病専門医は、一般的な歯科医師と比較して、歯周病に関するより高い専門性と治療技術を有しています。
歯周病専門医の主な役割は、一般的な歯科医院では対応が難しい重度の歯周病患者の治療にあります。彼らは、歯周病の診断から治療計画の立案、手術、そして治療後のメンテナンスに至るまで、歯周病治療の全般を包括的に担います。また、患者の状態に合わせた最適な治療を提供するために、必要に応じて他の専門医や歯科衛生士との連携も行います。
歯周病専門医を選ぶ際には、いくつかの点に留意することが推奨されます。まず、日本歯周病学会のホームページなどで、専門医の資格が認定されているかを確認することが重要です。次に、その専門医の治療実績や患者からの評判などを参考にすることも有効です。さらに、専門医が在籍しているだけでなく、医院全体の設備や衛生管理体制も、治療の質を左右する重要な要素となります。
重度の歯周病でお悩みの場合、専門医による適切な診断と治療が非常に重要であるため、歯周病専門医への相談を検討することが強く推奨されます。
歯周病は、お口の中の細菌が、歯と歯ぐきのすき間(以下、歯周ポケットと記載)に侵入して歯肉に炎症を引き起こし、最終的には歯を支える骨を破壊してしまう病気のことです。
公益財団法人8020推進財団「第2回永久歯の抜歯原因調査」によると、歯を失う原因は、歯周病(37.1%)、次いでう蝕(29.2%)、破折(17.8%)の順に多いことが明らかになっています。
多くの患者様は、歯周病の症状が出てから歯科医院に来院されますが、実は歯周病は「サイレントキラー」とも呼ばれるほど、初期には自覚症状がほとんどないまま進行します。歯周ポケットが深くなると、歯肉が腫れたり、歯がグラグラしたりしてきます。その結果、ものが噛めなくなり、歯が自然に抜け落ちるほど重症になることもあるのです。
歯周病は大切な歯を奪ってしまうだけでなく、全身疾患とも深い関わりがあります。歯周病菌が口の中から血流に乗って全身をめぐり、次のような疾患を引き起こす可能性があります。
「たかが口の病気」と放っておくと、健康寿命を縮めてしまう可能性があるのです。
以下の項目をチェックしてみましょう。
実は歯周病は、症状があらわれた時点ではかなり進行しており、残念ながら残せない歯が出てくることも少なくありません。なかでも非喫煙者の「歯茎からの出血」は、歯周病が重症化しているサインです。「少し様子を見よう」と放置してしまうと、どんどん悪化してしまうため、すぐに治療を始めましょう。
歯周病は、プラークと呼ばれる原因菌だけでなく、さまざまな要因が重なって生じます。
歯周病の主な原因は、歯周ポケットにたまる歯垢(以下、プラークと記載)です。プラーク1㎎中には、100億個以上もの細菌がいるといわれています。プラークは、毎日の歯みがきと定期的な歯科受診によってコントロールが可能です。
しかし、深い歯周ポケットがあると歯磨きが不十分となり、プラーク内の細菌が産生する毒素が歯の周囲の組織に慢性的な炎症反応を引き起こします。これが歯周病と呼ばれる状態です。
環境の因子 |
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人間側の因子 |
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歯周病予防の基本は、毎日の正しい歯みがきによるプラークコントロールと、歯周病を寄せ付けない規則正しい生活習慣です。
歯周病は一般的に次のような段階を経て進行します。
健康な状態
薄いピンク色の歯茎が歯に密着し、歯周ポケットがないのが健康な状態です。歯磨きをしても出血はありません。
軽度の歯周病
歯茎に炎症が起こり、歯周ポケットが深くなった状態です。痛みは少ないものの、歯磨き時や硬いものを食べると出血することがあります。歯茎が赤く腫れ、歯周ポケットにプラークがたまります。
中度歯周病
歯茎だけではなく、歯を支える顎の骨にも炎症が広がった状態です。慢性的な炎症による骨の吸収や歯のぐらつきが生じ始めます。歯茎が全体的に赤く腫れ、変色が強くなります。
重度歯周病
歯の根を支える骨がほとんど失われた状態です。歯周ポケットがかなり深くなり、歯のぐらつきもさらにひどくなります。歯茎は赤紫色になり、歯との境目の腫れが強くなります。
歯周病治療には、病状の進行状況により段階があります。
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まず、お口の中の状態や歯周病の進行具合をチェックします。確認するのは次のようなポイントです。
また、レントゲン撮影で歯の周りの歯槽骨の状態を確認します。痛みがあるときには、応急処置をして痛みを取り除きます。
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歯周病は再発しやすい病気で、症状が改善しても、再び治療が必要となることもあります。メインテナンスは、定期的に口の中のチェックやSRPを受け、歯周病の再発を防ぐものです。ご自宅でのセルフケアと併せて、数ヶ月に1回の定期的なメインテナンスをおすすめします。
歯周基本治療で症状が改善しない場合、外科的アプローチが必要なケースがあります。当院では、患者様一人ひとりの状態に合わせて、以下の手術をご提案・実施しています。
フラップ手術は、歯周病が進行し、歯茎の奥深くまで炎症が起きている場合に実施する手術です。まずは麻酔を行い、歯茎を切開して剥離します。
これにより、普段は見えない歯の根の表面や、その周囲に付着している頑固な歯石、炎症を起こしている不良な組織を、確認しながら除去することが可能です。その後、歯茎を元の位置に戻して縫合します。
フラップ手術は、歯周病の進行を食い止め、健康な歯茎を取り戻すための重要なステップとなります。
歯周病が進行すると、歯を支える骨や歯の周囲の組織が壊されてしまうことがあります。これは、失われた骨や組織を再生させることを目的とした高度な治療法です。
フラップ手術と同様に、歯茎を切開して剥離した後、骨が失われた部分に骨を補う人工の材料や、骨の再生を促す特殊な薬剤などを注入します。
これらの材料や薬剤が、失われた骨や周りの組織の再生をサポートします。骨の再生には、個人差や骨の状態にも左右されますが、一般的に6ヶ月程度の期間が必要です。
当院では、最新の歯周病治療として、ブルーラジカルシステムを導入しています。
SRPと併用すると、より高い治療効果が期待でき、外科的治療を回避できる可能性もあります。とくに、外科的治療に抵抗がある方や、全身疾患のために外科的治療が難しい方にとっては、有効な選択肢となるでしょう。
質の高い歯周病治療を受けられる繰り肉をお探しの方、また「歯を残したい」「しっかりと説明を受けて納得して治療したい」とお考えの方は、ぜひ文京区の護国寺デンタルオフィスにご相談ください。
当院は、患者様の歯を残すことで健康寿命を延ばしたいと考えております。患者様にわかりやすい説明と納得のいく治療をご提供いたします。